目次
目次
スポンサードリンク
私は今コーヒーを飲みながらこの記事を書いております。
皆さまの中にもコーヒーを飲みながら読んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コーヒーといえば、カフェイン。
毎日コーヒーを飲む私のような人間にとって、それは癒しでもあり、集中力を高めるパートナーでもあります。
ただ、このカフェイン、しばしばやんちゃなところもあるようです。
カフェインの大量摂取での中毒死
九州地方で今年、眠気覚ましをうたうカフェイン入り清涼飲料水を頻繁に飲んでいた20代男性がカフェイン中毒で死亡していたことが、福岡大法医学教室の分析で21日までに分かった。
胃の内容物にはカフェイン錠剤の可能性がある破片も混じっており、錠剤がどの程度死亡に関与したかは不明だが、同教室は飲料の大量摂取が原因とみている。
(中略)
福岡大法医学教室などによると、男性は24時間営業のガソリンスタンドで深夜から早朝の勤務。帰宅後は夕方まで起きていて、その後に寝て出勤する毎日だった。
エナジードリンクと呼ばれるカフェイン入り飲料を多用し、死亡する約1年前から体調不良を訴え、吐いて寝込むことを数回繰り返した。
まったくもって穏やかな話ではございません。
そう、カフェインは敵にも味方にもなり得るのです。
日本にはカフェイン摂取許容量などの基準はないそうで、まさに自分の身は自分で守らなければなりません。
というわけで、今回はカフェインに関するこわ~いお話しです。
カフェインの効果と中毒リスク
カフェインの効果
カフェインにはどのような効果があるのでしょうか。
主な作用は、中枢神経を興奮させることによる覚醒作用および強心作用、脂肪酸増加作用による呼吸量と熱発生作用による皮下脂肪燃焼効果[6]、脳細動脈収縮作用、利尿作用などがある。
カフェインといえば眠気覚ましとして認知されていますが、実際に効果があります。
これは、頭皮等に存在しているアデノシンがアデノシン受容体にくっつくのをカフェインがブロックすることにより、眠気の原因となるアデノシンの増加を妨げるからです。
ただし、アデノシン濃度を下げるためには、睡眠をとる以外に方法はなく、カフェインによってブロックをしたとしてもアデノシンが消えるわけではありません。
つまり、どれだけカフェインを摂ってもいつかは眠らないといけません。
ちなみに、カフェインの効果にも個人差があります。原因は、
・カフェインへの耐性(飲み続けると効かなくなります)
・カフェインが効きにくい時間帯での摂取(8時~9時、12時~13時、17時半~18時半)
・コルチゾールの血中濃度が高まる時間
・生まれ持った体質
と言われています。朝食と一緒に、あるいはランチ後にコーヒーを、なんてことはよくあると思いますが、上記時間帯に飲むのは避けましょう。
カフェインには、頭痛を抑える効果もあります。アデノシンの働きをブロックすることによって、脳の血管を収縮させるため、脳の膨張に伴って生じる頭痛を和らげる作用があります。
また、アデノシンの働きをブロックすることによって、ノルアドレナリンの分泌が増え、痛みが感じにくくなる効果もあります。
カフェインの中毒リスク
カフェインがアデノシンの働きをブロックすると「強心作用」がでてきます。
強心作用というのは、心臓の収縮力を高める働きのことで、つまりは心拍数が上がったり、血圧が上がったりします。
カフェインを摂り過ぎて動悸が起こるような場合は、この強心作用によるものです。
パニック障害や不安障害の方がカフェインを摂り過ぎて強心作用が出ると、障害を悪化させてしまうこともあります。
また、カフェインを摂り過ぎると利尿作用、すなわちおしっこに行きたくなります。
これは、カフェインがアデノシンをブロックすることにより、尿を作っている腎臓に流れる血流が増えるからです。
みなさんも記憶にありませんか?
過量に摂取すると、集中力がなくなったり、不眠、不安感、耳鳴りなどが発生することもあります。
カフェインの摂り過ぎは中毒のもと
大人の1日の適度なカフェイン摂取量は200mg~300mgと言われています。
コーヒー約3~4杯分です。意外と少ないですよね?
毎日過剰にカフェインを摂取し続けると慢性のカフェイン中毒になる可能性があります。
カフェイン中毒になると
・夜眠れない
・心臓がドキドキする
・落ち着きがなくなり、不安な気持ちになる
・頭痛、胃痛、吐き気がする
などの症状が出ます。
また、1時間以内に300mg~500mg以上を摂取すると急性症状になる可能性があります。
また、3時間でその3倍量を摂取すると急性症状が発症すると言われています。
急性中毒になると、
・心拍数の増加、不整脈、動悸、血流の増大
・過呼吸などの呼吸困難
・歩行困難
・胸痛、胃痛、嘔吐
・感覚過敏、精神錯乱、幻覚、幻聴
などの症状が出て、大変危険です。
ちなみに子供のように体重が軽い人の場合、100mgでも急性症状の可能性が出てきますので注意しましょう。
気になるカフェイン致死量は?
では、カフェインの致死量はどうでしょうか?
体重 | 致死量 |
---|---|
40kg | 8g |
50kg | 10g |
60kg | 12g |
70kg | 14g |
以降体重10kg毎に2g増加
上記の量を短時間に摂取すると死に至る可能性があるそうです。
体重60kgの場合、飲み物別におおよそどの程度飲むと致死量に達するのか計算してみました。
飲料名 | 単位 | カフェイン含有量 | 致死量 |
---|---|---|---|
ドリップコーヒー 150ml | 1杯 | 140mg | 86杯 |
エスプレッソ 50ml | 1杯 | 140mg | 86杯 |
玉露 150ml | 1杯 | 150mg | 80杯 |
缶コーヒー 185ml前後 | 1本 | 100~150mg | 80~120本 |
ペットボトルの緑茶 500ml | 1本 | 50~65mg | 185~240本 |
ペットボトルの濃い緑茶 500ml | 1本 | 100mg | 120本 |
ペットボトルの紅茶 500ml | 1本 | 40~80mg | 150~300本 |
コーラ 500ml | 1本 | 50mg | 240本 |
レッドブル | 1本 | 80mg | 150本 |
モンスターエナジー | 1本 | 144mg | 83本 |
リポビタンD | 1本 | 50mg | 240本 |
リゲイン | 1本 | 50mg | 240本 |
オロナミンC | 1本 | 18mg | 667本 |
メガシャキ | 1本 | 100mg | 120本 |
眠眠打破 | 1本 | 120mg | 100本 |
強強打破 | 1本 | 170mg | 71本 |
個別の商品で見るとさらにカフェイン含有量が多い商品があります。
飲料名 | 単位 | カフェイン含有量 | 致死量 |
---|---|---|---|
サントリー プレミアムボス ブラック 390g | 1本 | 234mg | 51本 |
ダイドー やみつきミルクコーヒー 500ml | 1本 | 220mg | 55本 |
サントリー ボス シルキーブラック 400gボトル缶 | 1本 | 200mg | 60本 |
サントリー ボス とろけるカフェオレ 500ml | 1本 | 200mg | 60本 |
ほんの一例ですので、他にもまだまだあると思います。
1時間ガブガブ飲み続ければ致死量に達しますが、あまり現実的ではなさそうです。
それよりも先に急性中毒が発症して、飲み続けられないと思います。
日常生活においては、「よしこれから残業するぞ!」と言いながら、
レッドブル 3本、リポD 3本、強強打破 3本
を一気に飲むとカフェイン900mgを摂取することになり、大変危険です。
また、ちょっと大きいブラックコーヒー缶を1時間2本のペースで飲むのも危険です。
せめて、気合を入れる時でレッドブル 1本、リポD 1本、強強打破 1本(カフェイン300mg)
コーヒーは1日2本程度にしておきましょう。