タイタニックローズ本人の現在は?実話はどこまで?生存者には日本人も

1997年に初公開され、アカデミー賞で11部門を受賞した映画『タイタニック』。


1912年に実際に起きた「豪華客船タイタニック号の沈没事故」をモチーフにした作品で、全世界を感動の渦に巻き込んだ不朽の名作です。

タイタニック号沈没事故
1912年、イギリスからアメリカへ向かう航海の途中、氷山と衝突したことが原因で沈没。北大西洋の海底3,800m付近に今もその姿を残す。
腐食が進んでおり、「2100年までには船艇の重さに耐えられなくなり、崩壊する」と言われている。


今回は、映画『タイタニック』ローズ本人の現在と、実話はどこまでなのか、生存者に日本人はいたのかについて調べてまとめました。


一部では、「映画の最初と最後にインタビューに答えているのは、実在したローズ本人では?」なんていう声も聞こえてきますが、どうなのでしょうか?


生存者の子孫を調べてみると、驚きの著名人と繋がりが…!?

ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。


目次

タイタニックローズ本人の現在は?


結論からお伝えすると、映画『タイタニック』に登場する女性「ローズ」は架空の人物です。

もちろん、レオナルドディカプリオが演じたジャックも実在しない(はず)


当時世界最大級の豪華客船で、2,224人の乗客や乗組員を乗せていたというタイタニック。


もしかしたら、ジャックやローズのような境遇のカップルがいたかもわかりませんが、具体的なモチーフとなる人物が存在するわけではありません。


ちなみに、映画『タイタニック』でヒロイン・ローズの現在の姿を演じた女性は、ロリア・スチュアートさんという大女優です。


名前:グロリア・スチュアート(Gloria Stuart)
生年月日:1910年7月4日
出身:アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカ

ブロンドの美人女優として22歳の時にハリウッドデビュー。


若い頃のグロリア・スチュアートさんがこちら。
息をのむ美しさ…


女優業だけでなく芸術にも精通し、画家としても活躍していました。

晩年は肺癌や乳癌を患い、2010年9月に100歳でこの世を去りました。


実話はどこまで?


わかりやすくお伝えすると、

ジャックとローズを取り巻く人達や彼らの恋愛、そこに絡む出来事を除いた、大筋のストーリーはほぼ実話

であると言えます。


つまり、

・タイタニック号が氷山に衝突して沈没
・多数の乗客が海に投げ出され亡くなった

という物語の本質は事実です。


また、映画『タイタニック』の制作にあたって、監督のジェームズ・キャメロン氏はかなりの時間を下調べに費やしたと語っています。


実際に海底に沈没したタイタニック号の残骸を見るために、潜水艇に乗り込み何度も視察に行ったのだとか


そういった努力のかいもあって、船内の装飾品や内部の造りなどもかなり実物を忠実に再現されているそう。


また、映画『タイタニック』では、実在した乗船者をモチーフにした登場人物が、複数登場しています。


印象的な人物をいくつかご紹介

浸水していく部屋のベッドで抱きしめ合う老夫婦

刻一刻と迫る終期を知りながら、最後の時をともにする老夫婦ー・・・

映画を観て、胸を締め付けられる思いになった方も多いのではないでしょうか



実はこちらのご夫婦は、タイタニック号の1等船室の乗客で、米大手百貨店「メイシーズ」の共同オーナーだったイジドー・ストラウスさんと、その妻アイダさんをモデルに描かれたと言われています。


限られた数しか用意されていない救命ボート。



われ先にと自分の身の安全を優先する人も多い中、イジドーさんは船内に多くの女性や子供が残っている様子を見て「自分が先に乗ることはできない」救命ボートへの乗船を拒否しました。

そして、妻であるアイダさんも、夫とともに船に残ることを選択したのです。


のちに、沈んでいく船のデッキで、寄り添う2人の姿を生存者が目撃しています。


2023年6月18日、タイタニック号の残骸を見学するツアーの潜水艇「タイタン」が圧壊する事故が発生しました。
この件で亡くなった操縦士の妻、ウェンディ・ラッシュさんは、イジドー・ストラウスさんとアイダさんの玄孫(やしゃご)であることが判明しています。

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船長(エドワード・スミス)

沈みゆく船と運命をともにした船長、エドワード・スミスさん

映画では、氷山と船の接触を避けられなかった船長としての責任を強く感じ、沈みゆく船の舵を握り、覚悟を決めてその最後を迎えるシーンが印象的でした…


映画のなかでも描かれていた通り、周囲の信頼が厚い経験豊富なベテラン船長で、実は今回のタイタニック号での航海を最後に引退する予定でした。


実際のところ、沈没直前に操舵室に入っていったかどうかは不明で(目撃者の意見が分かれている)、のちにその姿を見た人はなく、その後の行方はわかっていません。


タイタニックの設計者

タイタニック号の主任設計士だったトーマス・アンドリュースさん

こちらも実在していた人物です


設計者であることから、いち早くタイタニック号が沈没する危険性に気づいたトーマスさん。

一人でも多くの乗客を救うため、海に投げ出された人々の浮力になるよう、デッキチェア(椅子)を船が沈む直前まで海に投げ続けたといいます。


ご本人はライフジャケットを装着しておらず、助かる気はないように見えた、とのちに生存者の方が語っていました。

映画でも誠実な人柄が描かれていましたが、まさにその通りの責任感ある人物だったのですね。



その他にも、

■船が沈没する直前まで残された乗客を励ますために音楽を奏で続けた音楽隊
■生存者の捜索のために船を現場に戻すよう訴えかけた貴族の女性モーリー・ブラウン(映画内では正装を持たないジャックに息子さんのタキシードを貸してあげていた)さん、
■タイタニック号を製造した会社社長 ジョセフ・ブルース・イズメイさん
■航海士マードックさん

なども実在した人物です。


実際の行動や細かい設定は脚色されていますが、かなり史実に忠実に描かれていることがわかりますね。



生存者には日本人も

鉄道員の官僚

実は、沈没したタイタニック号にたった一人だけ日本人が乗船していたことが分かっています。


その人物の名前は、細野正文さん

引用:細野正文 – Wikipedia


鉄道院在外研究院の官僚だった細野さんは、当時二等船の乗客としてタイタニック号に乗船していました。

1910年に鉄道院の海外留学生として、ロシア・ドイツ・フランスの鉄道事情を視察。
イギリスからアメリカ経由で帰国する道中に、このタイタニック号に乗り合わせたといいます。


細野さんは救出時の様子について、

ふと舷側を見ると今や最後のボート卸ろされるところで中には45人分の女子供が乗って居たが、スルスルと1ヤードか2ヤード程卸した。ところが何か滑車に故障があったと見えてピタリと止まった。ふと聞くともなしに聞くと『何にまだまだ3人位ゆっくり乗れるじゃないか』と船員同士の話声がした。私は立ち止った。すると私の側に居った一人の船員がヒラリとばかりにボートに飛び下りた。見るとボートは元の儘、舳のところが空いて誰も居ない。これなら飛込んでも誰れにも危害を与えまいと思ったので、いきなり飛び下りた。
引用:wikipedia「冒険世界」

と語っています。

女性と子供が優先というルールがあるなかで、男性である細野さんが甲板から下ろされる途中だった最後の救命ボートに飛び乗って助かったというエピソードが広まり、避難が殺到してしまったといいます。


二等船客に乗っていた男性の生還者がわずか14人ととびぬけて少なかったという事情も非難の的になった様子

では、船とともに命を投げ出すことが美談なのか?といえば、それもおかしな気がしますよね。


また、細野さんが救出されたのと同じボートに乗っていた生存者の女性が、

「船に居合わせた男性が、女性のドレスの下に隠れていた」
「タバコを吸って、(ドレスに燃え移って海上で)火事になったら大変だから消せと注意されていた」

という内容の手記を残していたことが判明。



同ボートには、船の乗組員の他、細野さんともう1名しか男性が乗っていなかったため、「この人物が細野さんではないか」という憶測を呼んでしまったようです。


なお、結局のところ、上記の行動が誰によるものだったのかは分かっていません


生存者の孫が実は

幸い生き残られた細野正文さんのお孫さんー・・・


その人こそ実は現在もミュージシャンとして活躍されている細野晴臣さんです。

芸術選奨の大衆芸能部門で文部科学大臣賞を受賞、邦楽ロックの礎を築いた人物

名前:細野晴臣(ほそのはれおみ)
生年月日:1947年7月9日(2023年6月現在75歳)
出身地:東京都港区
学歴:立教大学社会学部


代表作には映画『銀河鉄道の夜』のサウンドトラックなどがある他、松田聖子や中森明菜、森進一など数々の著名なアーティストへ楽曲提供していることでも知られています。

是枝裕和監督の映画『万引き家族』や、2010年公開の『ノルウェイの森』などの音楽についても細野さんが手掛けているんですよ!

過去に演奏に参加した主なアーティスト
井上陽水・CHARA・星野源・森山良子・矢野顕子・山下達郎・和田アキ子など


近年では音楽活動以外に、俳優としてテレビドラマや映画に出演する機会も増えています。

また特徴のある低音の声が重宝され、TV番組やコマーシャルのナレーターとしても多く起用されています。

まとめ

今回は、映画『タイタニック』のローズ本人の現在と、実話はどこまでなのか、生存者に日本人はいたのかについて調べてまとめました。


・映画に登場するローズやジャックは架空の人物
・ローズ本人役を演じたグロリア・スチュアートさんは2010年に100歳で逝去されている
・主人公の2人を取り巻く出来事や人物以外はほぼ実話
・劇中には実在した人物が多く登場する
・唯一の日本人乗船者は、鉄道院のエリート官僚だった細野正文氏
・細野正文氏の孫は、ミュージシャンの細野晴臣氏

映画『タイタニック』は素晴らしい作品ですが、ここまで史実を忠実に再現されていることは知りませんでした。

実際のモデルになった人物が存在することを踏まえて映画を鑑賞すると、より心に深く刺さる部分がありますね

最後まで読んで下さりありがとうございました!



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