羽田空港で火災はなぜ?管制塔のミス?海保機が誤侵入の可能性も

2024年1月2日午後6時前、羽田空港のC滑走路で航空機2機の接触事故を原因とする火災が発生しました。

引用:毎日新聞


衝突時間直前に羽田空港に着陸した日本航空(JAL)の旅客機と、海上保安庁の航空機が滑走路上で衝突し、火の手が上がったと見られています。


今回は、

・羽田空港での衝突火災事故はなぜ起きたのか
・管制塔のミス?
・海保機が誤侵入の可能性

について調べてまとめました。


JAL航空便側は「着陸許可が出ていた認識」と述べていることが新たに判明しています

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

目次

羽田空港で火災はなぜ?

2024年1月2日午後6時前、羽田空港のC滑走路で航空機2機の衝突による火災が発生しました。

衝突したのは、海上保安庁が所有する航空機と、日本航空516便「新千歳→羽田行」の2機とみられています。


以下は、事故直後の構内の様子をとらえたものです。

着陸予定の旅客機が滑走路を走行した直後、後方で大きく火の手が上がっているのがわかります

日本航空の期待に登場していた乗客が撮影したと思われる動画


旅客機に搭乗していた乗客367人(幼児8人含む)と、乗務員12人は全員無事に脱出したとのことです。

また、、海保の航空機は、2024年1月1日に発生した能登での大地震を受けて、新潟県へ支援物資を運ぶために飛び立つ途中だったということです。


一体なぜこのような悲惨な事故が発生してしまったのでしょうか。


管制塔のミス?


事故が起きた原因については、

現時点(1月4日未明)では明らかになっていません。



しかし、2つの機体が同じタイミングで滑走路に侵入してしまった経緯について、徐々にその概要が明らかになってきました。

もともと日本航空(JAL)516便は、午後5時40分が定刻の着陸時間でした。


事故が起きたのは17:47頃と報じられています。
着陸の時間に少し遅れが生じていたのかもしれません。

第3管区海上保安本部によりますと、着陸態勢に入った日航機が、離陸前に滑走路を移動していた海上保安庁の固定翼機にぶつかった可能性が高いということです。

引用:Yahoo!ニュース


JNNが羽田空港に設置したカメラには日本航空の旅客機が午後5時47分、羽田空港に着陸しようとしたところ、機体から火の手が上がりました。

引用:Yahoo!ニュース


JAL516便は、予定から少し遅れて羽田空港に到着。
着陸態勢に入るためC滑走路を走行していた際、構内を離陸準備のため走行中だった海上保安庁の機首と左翼が接触した、ということです。


管制とパイロットとのやり取りは、いまだに口で伝え耳で聞くアナログ方式だったという



同日行われたJAL側の会見によれば、

(516便に)着陸許可が出ていたと認識している。
(516便の機長は)海保の機体の存在は視認できていなかったと考えている。」

引用:毎日新聞

と述べています。


もし仮にJAL516便機に着陸許可が下りていたのなら、海保機が滑走路に侵入するタイミングに問題が生じたということになりますね

国土交通省の調査によると、

事故の前、管制官からは日本航空機に対して滑走路への進入許可が出ていた一方、海上保安庁の航空機に対しては滑走路手前まで走行するよう指示が出ていた


ということです。


そうなると、事故原因としては、

海保機と管制側のやり取りになんらかの齟齬があった

可能性が考えられますが、詳しい原因は現在調査中です。



新たな情報が分かり次第、改めてお伝えします。


海保機が誤侵入の可能性も

事故から一夜明けた1月3日、国土交通省は当時の管制官と両機の交信記録を公表しました。


その結果、

JAL516便にに対しては着陸許可を出していたこと
海保機に対しては、誘導路に停止するよう指示し、離陸指示は出ていなかった

ことが判明しました。


一部報道によれば、

海保機の機長は「管制官から離陸許可を得た」と認識していたとみられる。管制官からの指示を取り違えるなどした可能性がある。

引用:日本経済新聞

と報じられています。


以下、国土交通省が公表した管制との交信記録全文です。。

17:43:02(時刻)
JAL516(衝突した日航機): 東京タワー、JAL516 スポット18番です。
東京タワー(管制塔): JAL516、東京タワー こんばんは。
滑走路34Rに進入を継続してください。風320度7ノット。出発機があります。

17:43:12 
JAL516(衝突した日航機): JAL516 滑走路34Rに進入を継続します。

17:43:26 
DAL276(出発機2番目): 東京タワー、DAL276 誘導路上Cにいます。停止位置に向かっています。
東京タワー(管制塔): DAL276、東京タワー こんばんは。滑走路停止位置C1へ走行してください。
DAL276(出発機2番目): 滑走路停止位置 C1 DAL276。

17:44:56 
東京タワー(管制塔): JAL516 滑走路 34R 着陸支障なし。風310度8ノット。

17:45:01 
JAL516(衝突した日航機): 滑走路 34R 着陸支障なし JAL516。

17:45:11 
JA722A(衝突した海保機): タワー、JA722A C誘導路上です。
東京タワー(管制塔): JA722A、東京タワー、こんばんは。1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください。

17:45:19 
JA722A(衝突した海保機): 滑走路停止位置 C5に向かいます。1番目。ありがとう。

17:45:40 
JAL179(出発機3番目): 東京タワー、JAL179 滑走路停止位置 C1へ走行しています。
東京タワー(管制塔): JAL179、東京タワー 3番目。滑走路停止位置 C1へ走行してください。
JAL179(出発機3番目): 滑走路停止位置 C1 へ走行、離陸準備完了。

17:45:56 
JAL166(到着機2番目): 東京タワー、JAL166 スポット21番です。
東京タワー(管制塔): JAL166、東京タワー こんばんは。2番目、滑走路 34R進入を継続してください。風320度8ノット。出発機あり。160ノットに減速してください。 17:46:06 
JAL166(到着機2番目): 減速160ノット、滑走路34R 進入を継続。こんばんは。

17:47:23 
東京タワー(管制塔): JAL166、最低進入速度に減速してください。 JAL166(到着機2番目): JAL166。

17:47:27
事故発生時刻(3秒無言)


上記の交信記録を読むと、管制は海保機に対して「滑走路停止位置まで地上走行」するよう指示(離陸許可は出していない)しています。


さらに、海保機側も「滑走路停止位置 C5に向かいます。」と指示を了解していますね。


最終的な原因は、運輸安全委員会の調査報告を待つべきですが、もしかすると、なんらかの事由で管制が出した指示と、海保機側の受け取り方に齟齬が生じたのかもしれません。


なお、衝突した海上保安庁の航空機には、当時6人の乗組員が搭乗していました。

海上保安庁の航空機に乗っていた乗員6人のうち、機長をのぞき5人が遺体で見つかり、機長も重傷を負っているということです。

今回衝突したと思われる、MA722固定翼機。



まとめ

今回は、

・羽田空港での衝突火災事故はなぜ起きたのか
・管制塔のミス?
・海保機が誤侵入の可能性

について調べてまとめました。

大地震の影響もあり混乱状況にある国内ですが、事故原因の早急な解明が急がれます。

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